話しあいの効用

対話、それも、たわいのない世間話や噂話の応酬といったものではなく、何か決まった事柄についてのじっくりとした話し合いはとてもたいせつだ。

なぜならば、そういう話し合いによって、自分が何を考えているのか何を見落としているのかがはっきりわかってくるし、問題の重要な点がどこなのかも今までになく見えてくるからだ。そうして、一つの考えというものが形としてまとまってくる。

独りでぐずぐず考えてばかりだと、とめどがないばかりで何もまとまらないものだ。

だから、話しあいは、互いに考えの産婆となって助け合うことでもあるのだ。

(『善悪の彼岸』より)

sn3d27510001.jpg