自分の生きた意見を持つ

生きた魚を手にするためには、自分で出かけていきうまく魚をつり上げなければならない。これと同じように、自分の意見を持つためには、みずから動いて自分の考えを掘り下げ、言葉にしなければならない。

そしてそれは、魚の化石を買う連中よりもましなことだ。自分の意見を持つことを嫌がる連中は、金を出してケースに入った化石を買う。この場合の化石とは、他人の昔の意見のことだ。

そして彼らは、買った意見を自分の信念としてしまう。そんな彼らの意見はいきいきとしておらず、いつまでたっても変わらない。けれども、この世にはそういう人間が数多くいるのだ。

『漂泊者とその影』(「超訳 ニーチェの言葉」白鳥春彦訳より )